西村伊作記念館
こんにちは!
突然ですが、皆さんは西村伊作さんという方をご存知でしょうか。
西村伊作さんとは
和歌山県新宮市出身の教育者であり、文化学院の創立者としても知られていて、
建築、絵画、陶芸、詩、生活文化など多彩な才能をもつ方だそうです。
今回研修先として向かったのは、「西村伊作記念館」です。
伊作自身が設計した新宮市の自邸であり、国の重要文化財に指定されています。
とても素敵な建物なので皆さんにご紹介したいと思います。
まずは外観。
この屋根はガンギというもの。軒から通路に長く屋根のひさしを張り出す造りになっています。
台風対策として新宮でも多くみられる屋根の造りを取り入れています。
赤い色はベンガラという色だそう。
自然石の玉石塀で囲われています。
中に入ると、階段がみえる玄関ホール。
ホールから入って左手に事務室、
右手にパーラーと食堂という部屋割りになっています。
事務室には西村氏の資料や写真が保存されていました。
資料には西村氏が設計した建物の写真も展示されています。
その中に特徴的な形の屋根を発見。
リバティハウスの施工事例でみたことがある!
私達はクラフトマンスタイルと呼んでいます。
このシングルハングの窓はワイヤーで吊り下げられており、好きな位置で窓を固定することができます。
これは当時としては画期的な事であったそうです。
窓の隣に掛けられている写真が西村伊作さん。
こちらはパーラー。
置かれている家具はほとんど西村氏がデザインしたものだそう。
奥にはパーフェクションというストーブが置かれていました。
リバティハウスの事務所に置いてある物より少し小ぶりでしたが、とても親近感がわいてしまいました!
食堂とパーラーは折りたたみのガラスドアで仕切れるようになっています。
今でいうリビングダイニングのような造りで、空間が違和感なくつながっていてとても広く感じます。
食堂の奥には多面角に張り出したベイウインドウがありました。
これはリバティハウスのお家でも見かける造りです。
階段は木でできたバラスターでできていてシンプル。
手摺の高さが低めでした。
二階にはこんな畳の部屋もありました。
日本の文化も取り入れているんですね。
2階の窓からは、伊作が設計した旧チャップマン邸がみえます。
家具やガスランプを自作しているところをみると、住宅そのものだけではなく、住まい方を大切に考えているように感じます。
『装飾の遠慮』という西村伊作の著書があり、装飾を完全に否定はしないが最小限にという考えがあった事を、記念館を案内していただいた方から教えていただきました。
豪華に飾り立てるのではなく、シンプルな造りで素朴な風合いを楽しむ。
リバティハウスのコンセプトにも近いものを感じる事ができ、とても充実した研修でした。
よろしければ皆さんも行ってみて下さいね!